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2020.11.20

知ってるようで知らない?入札談合とは

入札について調べると、よく見かける談合という言葉。
入札のことをよく知らない、という方でも耳にしたことがあるのではないでしょうか。

今回はそんな入札談合について、解説したいと思います。

談合とは?

だんごう【談合】《名・ス自》
(1)話合いをすること。相談。
(2)競争入札の参加者どうしが落札者と価額とを前もって決める、不公正な話合い。

入札における談合とは、上記の(2)のことです。
不公正とある通り、談合は「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」、いわゆる独占禁止法で禁じられている違反行為です。

国や地方自治体などの機関が公共工事や物品の調達を発注する際に、競争入札に参加する企業同士が事前に話し合って入札金額を決め、競争をしないことを入札談合といいます。

談合はなぜ違反行為なのか

では、なぜ談合が違反行為なのか。
それは、官公庁の発注による工事や物品調達の報酬は、税金から支払われることになるからです。

(例)予算20億円の工事
   一般競争入札
   最低価格15億円(品質を保つため)
   A社、B社、C社の3社が参加

たとえば上記のような案件があり、正しく競争がおこなわれる場合は、各社が利益も考えながら他社よりもより安い価格にできるよう工夫し、入札価格を決定します。
しかし参加する企業同士で事前に談合がおこなわれた場合。
たとえば、相談の上でA社18億円、B社19億円、C社18億5千万円で入札すると、このなかで一番低価格の入札をおこなったA社が18億円で落札することになります。
本来、発注機関側で設定していた最低価格が15億円であるため、本来の競争入札であればもっと低価格で落札される可能性も大いにありました。しかし談合がおこなわれたために、税金の無駄遣いとなる結果となってしまいます。

入札談合は納税者である国民に不利益をもたらし、また受注する側の事業者も創意工夫を怠ることとなり、業界の発展の妨げにもなる行為です。

発覚した場合は、事例によって処分はさまざまですが、一定期間の事業停止命令や課徴金納付命令が出されるほか、悪質かつ重大な場合には刑事告発がおこなわれることもあります。

入札談合関与行為とは

ここまでの説明では、受注する企業側の談合行為についてお話しましたが、入札談合関与行為という、発注機関側が談合に関わる違反行為も存在します。

(1)談合の明示的な指示
事業者ごとの年間受注目標額を提示し、事業者にその目標を達成するよう調整を指示する など
(2)受注者に関する意向の表明
受注者を指名又は受注を希望する事業者名を教示する など
(3)発注に係る秘密情報の漏えい
公開していない予定価格、指名業者の名称、入札参加業者の技術評価点等を漏えいする など
(4) 特定の談合の幇助
指名競争入札において、事業者から依頼を受け、特定の事業者を入札参加者として指名し入札談合を容易にする など

競争入札において、発注機関側が上記の行為をおこなうと入札談合関与行為にあたります。

国・地方公共団体等の職員が談合に関与している事例、いわゆる官製談合が発生していた状況を踏まえ、その再発を防止するために平成15年から「入札談合関与行為防止法」が施行されています。

また、この法律では、独占禁止法によって定められた入札談合関与行為である上記の4型以外にも、職員による入札等の妨害という違反行為も刑事罰の対象とされています。
これは、発注機関側の職員が事業者その他の者に談合を唆すことや事業者その他の者に予定価格その他の入札に関する秘密を教えることなど、入札の公正を害する行為すべてに当てはまり、違反した場合は5年以下の懲役・250万円以下の罰金と重い罪となっています。


いかがでしたでしょうか。
競争入札は公平性と透明性が確保されるべき行為です。
入札談合などのない、健全な競争入札がおこなわれる社会であってほしいですね。