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2021.09.21

デジタル庁の新入札ルールとは?組織体制とあわせて解説

日本では、新型コロナウィルス感染症の対応や行政サービス、社会全体におけるデジタル化の遅れという問題が顕在化しています。

デジタル技術をどれだけ活用しているか「知識(Knowledge)」、「技術(Technology)」、「将来への備え(Future Readiness)」という3つの判断基準によって評価する「世界デジタル競争力ランキング*1では、2020年、日本の順位は27位となり、前年の23位よりもさらに下がる結果となりました。

*1 スイスのIMD(国際経営開発研究所)が世界主要国63ヶ国・地域を対象に調査・分析

“デジタル化社会に向けて、日本国内のインフラを今後5年で一気に作り上げよう”
そんな目標を掲げて2021年9月1日、デジタル庁がついに発足しました。
以前にもデジタル庁について記事で取り上げていますが、今回は発足後の組織体制とその狙い、問題点を中心にお伝えしてまいります。

▼以前の記事
「デジタル庁の発足で入札市場はどうなる?入札王で情報をキャッチしよう」
http://zuno-ishikawa-tv.net/20210305/

デジタル庁の組織体制

<ミッション>

誰一人取り残さない、人に優しいデジタル化を。

一人ひとりの多様な幸せを実現するデジタル社会を目指し、世界に誇れる日本の未来を創造します。

<ビジョン>

Government as a Service

国、地方公共団体、民間事業者、その他あらゆる関係者を巻き込みながら有機的に連携し、ユーザーの体験価値を最大化するサービスを提供します。

Government as a Startup

高い志を抱く官民の人材が、互いの信頼のもと協働し、多くの挑戦から学ぶことで、大胆かつスピーディーに社会全体のデジタル改革を主導します。

引用:デジタル庁HP
組織情報より

デジタル庁の職員は約600名で構成されており、そのうち3分の1が官庁ではない民間企業からの人材だそうです。中にはIT企業などに籍を置きながら、兼業で働く職員もいます。このように最新の技術を持つスペシャリストを採用し「イノベーション*2体質」のモデルケースを作り上げようという狙いがあるようです。

また、フルタイム以外の働き方やテレワークなど、時代の変化にも対応するため新しい働き方を取り入れています。

*2 技術革新、新しい活用法を作り上げるという行動のこと

民間事業からの出向者についての問題点

このようにデジタル化社会への加速を狙うデジタル庁ですが、民間企業出身による問題も浮上してきています。これは、以前の記事でも取り上げた入札案件ともつながっている問題です。

▼以前の記事
「2021年に延期のオリパラ関連の入札、今どのような案件が話題になっている?」
http://zuno-ishikawa-tv.net/20210409/

2021年1月14日に契約を締結させた“オリンピック・パラリンピック観客等向けアプリ(仮称)”というデータ開発・運営の入札案件。この入札案件の発注元は、デジタル庁の前身である「内閣官房IT総合戦略室」です。この入札を巡っては、さまざまな疑惑や問題点が各方面から指摘されていました。

外部の弁護士らによる検証を行った結果、2021年8月20日に法令違反は認められないものの、「不適切な行為」が行われていたとの報告がされています。

第2 本調査結果の要旨
(省略)
②守秘義務を負わない民間事業者をプロジェクト管理等の体制に組み込んでいたことは、秘密保持の観点からも問題を生じさせかねず、さらに、意見聴取の域を超えて、仕様書作成を民間事業者らに担当させていたことは、現実的な問題こそ生じていないものの、調達手続の公正性に対して国民の不信を招くおそれもある不適切なものである。
(省略)
④入札日程の設定など本調達の手続に法令違反は認められないが、IT室職員が、参考見積書の作成を依頼するに当たり、他社の参考見積書を送付した上で、見積金額を特定して作成を依頼するという不適切な行為が行われた。

引用:デジタル庁HP
デジタル庁発足に向けたコンプライアンス体制の確保について
別添2「調査報告書」より

議事概要
<Ⅱ調達における効果的かつ合理的な入札制限の方向性について>
(省略)
・「オリパラシステム調査報告書」に言及されている職員については、民間からの出向者でありルールを知らなかったのではという印象を持った。デジタル庁も今後の職員受け入れ態勢、教育体制をしっかり整えることが重要。

引用:デジタル庁HP
デジタル庁における入札制限等の在り方に関する検討会について
第3回 議事概要より

この問題・調査の結果から、デジタル庁は職員の受け入れ態勢などのルールを固めるとの方針を示しました。

採用時には兼業先の企業の情報や株式・特許権などの保有情報を登録し、利益相反行為等には関与しない旨の誓約を求めるほか、仕様書を作成する際の兼業先の企業の入札制限、アクセスの制限、民間企業に籍を置いたまま兼業で入札業務を担当する場合、その兼業先の企業や子会社の応札を原則禁止する等、入札におけるルールを2021年10月1日の案件より適用すべきだと述べています。

詳しくは下記の報告書(Ⅱ調達における効果的かつ合理的な入札制限の方向性、Ⅳスケジュール)をご確認ください。

参考:デジタル庁HP
デジタル庁における入札制限等の在り方に関する検討会について
報告書(令和3年8月25日)より

議事概要
事務局より本検討会の位置付け及び主要な論点について説明があった後、討議が行われた。主な意見は下記のとおり。
(省略)
・今後、デジタル庁としての取組を、他省庁、政府全体に適応できるようなモデルケースができると良い。

引用:デジタル庁HP
デジタル庁における入札制限等の在り方に関する検討会について
第1回 議事概要より

デジタル庁の取組をしっかり進めて、やがては省庁や政府全体に適用できると良い、という前向きな意見もありました。国全体での入札がクリーンかつ実用的に行われるよう、すべての組織のモデルケースになることを期待したいですね。

入札王で「デジタル庁」の案件が検索可能

入札王の「予定情報検索」と「入札・落札情報検索」機能では、“デジタル庁”が発注機関として選択可能です。2021年9月17日現在まだ案件は数多くありませんが、入札のルールが適用される2021年10月1日以降は増えていくのではないかと予想されます。


いかがでしたでしょうか。
今回は、デジタル庁の発足後の組織の体制や、入札における新しいルールの適用についてお伝えいたしました。
クリーンで初めての方も参加しやすい入札市場…そんな環境を整えていくことが、国や地域など社会全体の活性化に繋がるのではないでしょうか。

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